この記事では過敏性腸症候群(IBS)持ちの私の仕事について紹介します。IBSは、大腸や小腸などの検査で異常が見つからないにもかかわらず、腹痛や下痢・便秘といった症状が慢性的に続く病気です。IBSを抱えながら仕事をするために私がどのように就職活動を行い、現在の仕事をどのように続けているかについてお話します。
IBSと向き合った就活について
大学在学中、就職活動を始めたとき、私が最も重視していたのは「お腹の調子が悪くても続けられる仕事かどうか」でした。
まず明確に避けたのは、出張や移動が頻繁にある職種です。長距離移動や慣れない環境での仕事は、IBSの私にとって非常にストレスが大きく、体調を崩す原因になります。また、海外のトイレ環境は日本と比べると大きな差があります。清潔さや設備の点で不安が多かったため、海外転勤がないことも就職先選びの条件の一つでした。
体調が不安定だと、集団行動や濃い人間関係にもストレスを感じがちです。ですので、社員同士の関係が密すぎない、程よい距離感を保てる企業文化の会社を選ぶようにしました。また、当時は新型コロナウイルスの影響もあり、リモートワークが普及していたことも幸いでした。リモートで働ける環境があるかどうかも、会社選びの重要なポイントでした。
まずは正社員を目指しましたが、「もし体調が悪化して働けなくなっても、別の形で収入を得られるようにしておきたい」とも考えていました。そのため、無理せず働ける範囲でスキルを磨きながら、転職も視野に入れた柔軟なキャリアプランを意識していました。
現在の仕事について
現在は、新卒で入社した会社に勤務を続けています。IBSを抱えながらも、今の職場は比較的自分に合っており、何とか働き続けられています。
就活時にこだわった条件(出張/外出が少ない、リモート可、穏やかな職場文化など)が、今の会社にはそろっていました。IBSでも働ける環境に出会えたのは、本当にありがたいことです。とはいえ、年次が上がると仕事内容や責任も増えていきます。これからも今の体調で乗り切れるかは分かりません。そのため、以下のような備えも心がけています。
- 貯金をして、経済的な不安を減らす
- 転職や正社員以外の道に備えて、スキルアップを続ける
「今働けているから大丈夫」と安心せず、未来の自分を助けられる準備をすることが大切だと思っています。
IBSと通勤について
また、今の仕事を続けられている最大の理由の一つは、通勤時間を短くできたことです。
朝の通勤電車は、IBSの私にとって一番つらい時間帯です。「途中でお腹が痛くなったらどうしよう」「すぐにトイレに行けなかったら……」という不安が毎日のように頭をよぎります。この負担を減らすために、勤務開始してから1年くらいたったタイミングで会社の近くに引っ越しました。これによって通勤時間が短縮され、ストレスが大幅に軽減されました。たったそれだけ?と思われるかもしれませんが、この小さな選択が、仕事を続けるうえでの大きな助けになっています。
常に余裕を持った行動をする
IBS(過敏性腸症候群)の症状は、日によって変わります。朝にお腹が痛い日もあれば、まったく症状が出ない日もあります。数週間調子が良い状態が続くこともあれば、逆に不調が長引くこともあります。私の勤務先は在宅勤務が可能な環境ですので、体調が良いときにも在宅で働けます。ただ、いざ出社が必要になったとき、普段から出社に慣れていないと、体調不良の中で仕事をこなすのが難しくなるかもしれないと感じています。そのため、体調に余裕があるときはなるべく出社するようにしています。普段は出社を基本とし、どうしても在宅勤務が必要なときだけ在宅で働くようにしています。このように働くことで、「在宅勤務=さぼっている」という印象を与えることも避けられますし、何より「出社しても大丈夫」という自信にもつながっています。このように常に余裕を持った行動をすることもIBSと付き合って生きていくために重要なことだと思っています。
まとめ
IBSの症状がひどいときは就活や仕事に対して「続けるのは無理」と思ってしまうことが何度もありました。しかし、自分に合った仕事や環境を見つける工夫をすることで、働き続けることができています。これからも自分に必要な最低限の幸せを考え、無理しない範囲で仕事を続けていければと思っています。
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